酵素の「失活」は 身体にとって良い?悪い? 【物販奮闘記】
酵素とは。・・・説明することは容易ではありません。ただ言えることは、この文章を書いている僕も、読んでいるあなたも、現在進行形で酵素を消費しているのです。酵素が無ければ、身体は何もできなくなるといっても過言ではありません。今回は「酵素」のお話です。
酵素とは?
今、あなたの身体の中でさまざまな⽣化学反応が起きています。
お昼に食べた食事を消化するのも、そこからエネルギーを⽣み出すのも、すべて⽣化学反応です。この反応無くして、どのような⽣物も生命維持をすることはできません。
そして、この生化学反応の触媒をするのが酵素なのです。
酵素は、体の中で起こるほぼすべての反応に関係しており、酵素が消失してしまうと生命維持のための活動が低下してしまいます。
日常生活の中では酵素の働きを感じにくいかもしれませんが、だからこそ正しい知識を持って、患者さまの健康維持、美容維持のサポートに役立てていただきたいのです。
酵素の3つの種類
酵素は、体内酵素(消化酵素、代謝酵素)と、体外酵素(食物酵素)に分けられます。
消化酵素は、食べ物を分解し、身体が吸収しやすい物質に変えます(異化反応)。
・炭水化物(でんぷん)をぶどう糖・オリゴ糖に分解する「アミラーゼ」
・タンパク質をアミノ酸に分解する「プロテアーゼ」
・脂肪を脂肪酸に分解する「リパーゼ」
代謝酵素は、細胞の新陳代謝、免疫力の向上、解毒など細胞のターンオーバーに必要です。
食物酵素は、生の野菜、フルーツ、発酵食品などに含まれる酵素で、食物そのものを消化・分解させます。
酵素の特徴
・年齢と共に酵素の量は減少する
20代の⼈間の消化酵素の量(アミラーゼ)は 、80代の⼈と比較すると20~30倍あるともいわれています。
・35~40度の環境下で活発になる
生物の体内で働くので、体温と同じくらいの温度で酵素が活動的になります。そして、平熱よりも体温が高くなる発熱時では、より早い反応を起こすようになり、細菌や体に侵⼊した敵に対して防御反応を起こします。
・pH7(中性)の環境下で活発になる
ほとんどの酵素は、pH7(中性)で一番活発になり、pH4以下(酸性)やpH10以上(アルカリ性)になると「失活」します。胃液に含まれる消化酵素のペプシンは、強酸性(pH1.5~2.0)の環境下でも活動することができます。
酵素の「失活」とは
酵素が、その機能を失うことを「失活」といいます。酵素は、温度の上昇によって反応速度が速くなるのですが、高温になりすぎると、逆に反応が遅くなります。つまり、酵素には適正温度があり、それが人の体温と同じ(37度前後)だと言われています。
酵素が熱に弱い理由は、多くの酵素がタンパク質で構成されているからです。といっても、酵素によってその耐熱性は異なるため、20度で活動する酵素もあれば50度でも活動できる酵素も存在します。
また、酵素の失活は食品加工でも用いられます。果物や野菜を切ると断面が茶色く変色することがありますが、これはポリフェノールオキシダーゼというの働きで断面のポリフェノールが酸化されるためです(酵素的褐変反応)。変色してしまうと見栄えが良くないので、短時間の過熱処理を行うことで酵素を失活させているのです。
酵素を効果的に摂取するには
先ほども述べたように、酵素は熱に弱いので、加熱せずに摂取することが理想です。低温殺菌(63 度で 30 分間加熱する)ですら、 酵素のほとんどが失活してしまうといわれているため、加熱調理(茹でる・蒸す・炒めるなど)は最低限に抑えた方が良いでしょう。
ただし、穀物類、豆類、キノコ類やイモ類は過熱しなくてはなりません。これらの食材には、難消化性のタンパク質や有害な成分が含まれているので、加熱することで酵素を失活させ、食べても害の無い、消化しやすい状態にでき、熱に強い栄養素はそのまま摂取できます。
生の食材にも、加熱調理した料理にもメリットとデメリットがあります。栄養素はバランスよく摂取することを忘れてはなりません。
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