施術者にとって「当たり前」でも、患者さまは「知りません」
私たち施術者が普段何気なく発している「専門用語」。この言葉によって、患者さまが不安になっている可能性があることをご存知ですか?施術者にとっての「当たり前」を、今一度見直してみましょう。
患者さまは「好転反応」を知らない
施術者としては当然知っている「好転反応」という言葉。しかし、患者さまの大半はこの言葉を知らないという事実をご存知ですか?
「好転反応」とは、施術の過程で一時的に起こる身体の反応を指します。施術を行えば身体が反応することは、施術者にとっては周知の事実です。「反応しなければ、施術の意味がないのではないか」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、患者さまにとってはその反応自体が違和感になることもあります。
自分と立場が異なる方へ何かを伝える際には、その方の立場になって考えることがとても重要です。患者さまに施術について説明する際、患者さまの立場になってお伝えできているでしょうか?
「これはもう常識だから、省略してお伝えしても大丈夫だろう」とあえて割愛することで、患者さまの理解が不十分となり、不安を感じさせていることも考えられます。
患者さまの立場で話す重要性
患者さまにとって、施術を受けていただく際に一番重要なことは何だと思いますか?わたしは、「継続していただく」ことだと考えています。
好転反応により、患者さまが「悪化している」と感じてしまい、施術を受けることをやめてしまったら…。それはとてももったいないことではないでしょうか。継続いただいていたら、違う結果が出ていたかもしれません。だからこそ、好転反応が起きる可能性があることを施術前にきちんと伝えておくことが大切です。
「身体の状態を変えるために施術を行うため、施術後には何かしら変化が現れるものです。時には痛みを伴うこともあります。ですが、それは身体が変化している一つの過程ですので、心配しなくても大丈夫です。ひどい痛みを感じる場合は、いつでもご相談ください」―。事前にこの説明があるかないかで、患者さまの感じ方が大きく異なるでしょう。逆に、施術を受けた後も身体の変化に気づかないという方もいらっしゃいます。そんな方にはぜひ気づいていただけるよう、ヒアリングを実施しましょう。
「日常生活の中でこの動作が楽になったのではないですか?」
「背筋がピンとしてきましたね」など。
「言われてみれば、そうですね」など、ご自身では気づかなかった変化に喜ばれることでしょう。
ポイントは
・変化に気づかせること
・変化が起きることをあらかじめ知っていただくこと
上記2点です。
施術者という立場に慣れてしまい、患者さま視点を忘れていませんか?時々振り返ってみることをおすすめいたします。
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