第8回 社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会
平成28年11月2日(水)、TKPガーデンシティ永田町 ホール2Aにて、13時より「第8回 社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会」が、開催されました。
議題
今回の議題は下記3件でした。
1. 第98回社会保障審議会医療保険部会(平成28年10月12日)での意見
2. 療養費検討専門委員会における議論の整理に係る対応スケジュール(案)
3. 柔道整復師に対する指導・監査等について
1. 第98回社会保障審議会医療保険部会(平成28年10月12日)での意見
○白川委員
医療はきちっとした仕組みがなっているが、療養費については、例えば柔道整復師の施術所等には、施設基準がない。請求書もばらばらで電子請求も全くない。医療の方は、診療報酬については支払基金などがコンピューターまで使ってチェックしているが、柔道整復療養費の審査では、柔道整復療養費審査委員会があるものの、審査率はおそらく4分の1から5分の1ぐらいであり、しかも目で審査している状態である。今回の整理案については特に申し上げないが、根本的なところを少し考えてもらいたい。(要点のみ抜粋)
○松原委員
一生懸命仕事している人たちがいるわけであり、その人たちも同じような目で、不正をしているという目で見られるのは大変つらいことであるので、問題がある点は抜本的に考え直すべきである。(要点のみ抜粋)
○横尾委員
地方厚生局の指導・監査については、やるならやる、正すなら正すということを、やはり厚生局の局長から出してもらう必要があると思う。つまり、厚生局における指導・監督をしっかりやるべきだ。(要点のみ抜粋)
2. 療養費検討専門委員会における議論の整理に係る対応スケジュール(案)
全18項目
※療養費検討専門委員会における議論の整理に係る対応スケジュール
3. 柔道整復師に対する指導・監査等について
①集団指導
概ね1年以内に受領委任の取扱いを「登録」又は「承諾」した柔道整復師を対象に実施
柔整審査会、保険者及び患者等からの情報提供
↓
指導監査委員会(地方厚生(支)局に設置)
個別指導の対象とする柔道整復施術所を選定(選定対象)
①受領委任の規程等に違反している場合
②柔整審査会、保険者及び患者等からの情報に基づき指導が必要と認められる場合
③個別指導において経過観察となった場合で、その後の改善が認められない、又は、改善状況の確認を要する場合
↓
②個別指導
経過観察
要監査
↓
(不正等の疑い)
③監査
↓
(不正等が発覚)
④受領委任の中止
【議論で出た意見】(一部抜粋)
◆施術管理者に関する要件について
○柔道整復の施術という世界は全てのことを現場で実務から学んできている。耳や目だけではなくて、手の感覚を通じて得ることなしに、本当の意味で患者さんの安心・安全のために、この医療に従事する者を育てることができないのではないかというふうに危惧をしている。ぜひ10月に通知をしていただいて、半年間でこれを全国に発信し、4月から実施という方向につなげていただきたい
○施術管理者の要件について、今想定されているのは実務経験プラス一定の研修の修了のセットということ。すると、その研修内容が決まらずに実務経験3年だけの要件で見切り発車的にスタートするということになると、その方たちは、資格的にはどのような立場に立つのかということが曖昧になってしまうと思う。
⇒意見が対立しているのでさらに検討すべきである。そのための材料提出もあるとのことなので、材料も出して、それと同時に実行時期、施行時期を決めることとする。
◆長期患者の施術回数について
○データをとるということだが、データをとっても正確な傾向はおそらく把握できないのではないかと思っている。長期・頻回の施術はおそらく部位ころがしをしているのではないかと思う。
◆電子請求に係る『モデル事業』の実施
○署名の問題が一番難しいと思うが、最近、いろんなところでタブレットを使って署名をさせられるケースが随分ある。タブレットを使えば署名もとれると思うので、これはぜひ、電子請求に係る「モデル事業」を早急に行って、電子請求に移っていただきたい。
◆支給申請書様式の統一
○領収書について発行義務があるが、領収書は様式が定められていないため、印鑑も押されておらず領収書の体をなしていないような領収書もあるので、申請書だけでなくて領収書の様式についても統一化を検討していただきたい。
○様式に従わない申請書は返戻できるというところをはっきりと通知していただきたい。
【参考】
第8回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会配布資料
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