交通事故患者への対応方法~施術前~
交通事故に遭った患者さまが来院されたとき、どのような案内をされていますか。どういう対応をすれば良いのか、何を聞けば良いのか分からないと、不安に感じている先生は多いと聞きます。そんな困っている先生方へ、交通事故患者への基本的な対応方法・注意点を解説します。
交通事故に遭われた患者が来院されるパターンは2つ
①保険会社から事前連絡があった後、患者さまが来院される場合
患者さまが来院される前に、保険会社から院に連絡が入るパターンです。保険会社の担当者から「〇〇さまという方がそちらの院に行きます」と、電話等で伝えられるので、その際にその患者さまの特徴(性別・年齢・身体の状態・事故後どれくらい経過しているか等)を詳しく聞き取りましょう。特に、交通事故で来られる患者さまは、接骨院の来院経験が無く不安を抱えている方や、事故のショックがまだ抜けていない方もおられますので、実際に来院された際は
「○○さんですね。保険会社の□□さんからお話は伺っています。今日は安心して施術を受けてください。」
と、安心感を与えられるようなお声かけを心がけてください。また、保険会社と患者さまが良い関係を築いていくことも重要です。保険会社から連絡のあった旨を一言添えて、保険会社と患者さまの架け橋になれるようにしましょう。
②保険会社から連絡がなく、直接患者さまが来院される場合
保険会社から連絡がなければ、その患者さまが本当に交通事故に遭われたかを確認することができませんので、患者さまが事故に遭ったという前提で施術を進めることになります。
その場合は、患者さまに身分証明書を提示してもらい、自院で交通事故後による怪我の施術を受けた旨を保険会社に連絡していただきましょう。そして、保険会社から自院へ連絡を入れてもらうように伝えていただいてください。
保険会社からの連絡の有無にかかわらず、事故に遭われた患者さまは不安な気持ちになっているはずですので、患者さまが安心できるような対応を心がけてください。
患者へのヒアリング~確認事項~
身体・怪我の状態の確認も大切ですが、それ以外にもヒアリングしなければならないポイントがいくつかあります。
①警察への連絡
警察へ連絡をしていないと人身事故扱いにならず、自賠責保険を利用することができません。もし警察への連絡がまだであれば、物損事故扱いになっている可能性が高いので、人身事故扱いにしてもらう必要があることをお伝えしましょう。
警察への連絡が済んでいる患者さまに対しても、人身事故扱いになっているかどうかを確認していただいてください。
②病院への来院
病院へ行ったかどうかは、接骨院での施術部位を決める基準や、施術証明書・紹介状を発行する必要の有無に関係します。患者さまが病院へ来院済みの場合、診断書を貰っているかを確認してください。貰っていたら施術部位の算定の参考にするために見せていただきましょう。
まだ病院へ行っていないのであれば、人身事故になっておらず物損になっている可能性がありますので、警察で人身事故に切りかえる手続きが必要になる旨をお伝えしましょう。
③通勤中の事故かどうか
通勤時の事故の場合は、労災保険が適用になる可能性があります。
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