接骨院で安定した自費売上を作り続けるには
療養費の不正請求排除を目的とした“療養費の適正化”が進んできたことで、自費施術に注力し出したという接骨院も少なくありません。しかし、実際に自費施術を導入しても、思ったように売上が上がらないという声が多いことも事実です。そこで今回は、安定的に自費売上を作るために必要な要素についてお伝えします。
目次
安定した自費売上を作るためには①患者さまのニーズを知る
最近よく「サブスクリプションを始めたい」という声を耳にします。世の中で今流行っているからという理由なのですが、果たして“接骨院に来てくれている人が、あなたの施術所にそれを求めているのか”を、一度立ち止まって検討してみることをお勧めします。まずは、あなたの施術所に来院される患者さまが何を求めているかを知ることです。
・年齢層
・職業
・身体についての興味や悩み
など、あなたの施術所に来てくれている患者さまたちが何に興味があり、何に悩み、どんな解決策を必要としているのかを調査するところからスタートします。
例えば、小さなお子様連れの方が多い場合、産後のボディラインのケアや、日々の育児による体調不良に有効な自律神経を整えるための鍼灸など。スポーツをしている方、部活でケガをした学生が多い場合は、筋力アップのためのトレーニングや柔軟性を高め血行を促すストレッチ、電気施術…といった具合です。
流行を押さえた自費施術を取り入れたものの、全く患者さまが興味を示さない…ということがないよう、事前にしっかりとニーズ調査を行っておきましょう。
安定した自費売上を作るためには②「自費施術」と「保険施術」の違いを理解してもらう
接骨院では、急性の外傷(骨折・脱臼・打撲・捻挫等)のみ保険適用されます。しかし、患者さまの中にはそのことを知らない方もおられます。自費施術は、保険施術に比べ高額に設定することが多いため、保険適用にならない施術の場合、患者さまが施術を受けることを躊躇する可能性もあります。
保険施術と自費施術の違いや、なぜ症状が起こっているのか、どのような施術をどのぐらいの期間行うのか等患者さまに説明し、料金に納得いただく必要があるでしょう。
安定した自費売上を作るためには③接骨院に代表される自費メニューを知る
接骨院によく導入されている自費メニューは、主に以下の4つが挙げられます。
・骨盤調整などの姿勢メニュー
身体の基礎となる骨盤に着目し、正常な位置に戻すことを目的としたメニューです。骨盤底筋を鍛えたり、骨盤の位置を調整したりすることにより、肩こり、腰痛など、様々な不調の緩和が期待できます。また、猫背、O脚、外反母趾、産後のボディライン調整など、特定の主訴に着目したメニューを取り入れている施術所も多く見られます。
・マッサージやストレッチ
今やクイックマッサージ店や時間制のマッサージサービスが乱立しています。だからこそ、国家資格を持った柔道整復師ならではのサービスを提供する必要があります。そして、ターゲットを絞ったメニュー設定が必須です。例えば、「デスクワークが多い人向け」「腰の疲労に特化している」など、患者さまのピンポイントの悩みをしっかりと解決できるような構成を作りましょう。
・物理療法(電気施術など)
EMSや低周波治療器などの機材を用いる施術です。電気施術は、療養費適用施術の後療において電療の加算を受けることができるため、開業時にはすでに機材を導入している院も多く、自費施術としては始めやすい施術かもしれません。新しく機材を導入する場合、初期投資はかかりますが、患者さまの定期的な来院が見込める重要な要素だと言えます。固定ファンがつけば、中長期的に安定した経営の構築を期待できるでしょう。
・鍼灸(はりきゅう)
「はりきゅう(保険)」の場合、慢性通に対する保険適用が多いというイメージですが、基本的に6疾患が対象となります(神経痛・リウマチ・五十肩・頚腕症候群・腰痛症・頚椎捻挫後遺症)。また、保険適用には医師の同意が必要になるため、「はりきゅう(保険)」で売上をつくるには時間がかかる可能性があります。
自費として鍼灸施術を取り入れる場合、いつもの施術にプラスするなど接骨院との親和性も高く、深層部のコリの軽減、自律神経の乱れによる冷え性などの不調緩和に、多くのニーズがあると言えます。顔の血行を促進させることで、たるみやくすみの緩和が期待できる美容鍼にも注目が集まっています。
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