鍼灸院・接骨院の原点へ
今号の特集は、「医薬品登録販売者」資格。姿勢や骨格を重視する接骨院(整骨院)・鍼灸院は、今後、医療の助けとなりうる存在だという考えをもたれ、薬店を併設されている西東京市の「上田鍼灸接骨院」上田宏院長にお話を伺いました。
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医薬品登録販売者とは
■医薬品登録販売者資格を取得しようと考えたきっかけや、経緯を教えてください
もともと、以前働いてくれていたスタッフが、医薬品登録販売者資格について調査してくれたことがきっかけだったんですね。一般薬だけではなく、漢方も扱える資格があると。これまで、根幹となる鍼灸施術は行ってきましたが、その施術でせっかく改善されたとしても、次に来られるまでの間、日々の生活での補佐・体質の改善といった、補う(補陽)ということができていなかった。それに、鍼灸と漢方が分離してしまっているのって日本くらいなんですよね。そういう中で制度が変わり、中医学をやるのであれば、 鍼灸・漢方両方の知識をしっかり
持ったうえで取り組むことが必要なのではないかと考えたんです。そういった中、ある薬科大での学部発表を聴く機会があり、この「補陽」の点にこそ漢方があると改めて気づかされたこともあって、資格への興味がわいたんです。
■資格試験の難易度はどのようなものでしたか?
個人の主観によりますし、僕が受験してから時間も経っていることで内容も変わって来ているでしょうから一概には言えませんが、複数地域で受験した僕の感想としては、地域差がかなりあるなと感じましたね。僕の時は、集められるだけの過去問を網羅して望み、無事に合格することができましたよ。何に苦労したかといえば、似たようなカタカナの名前に慣れるのに時間がかかってしまったことでしょうか(笑)。
患者様の反応や施術への影響・効果
■薬店を併設してからの患者様の反応はいかがでしょうか?
信用度がぐっと上がったように感じます。こうして資格を得るために勉強したことで薬に対する知識もかなり上がりましたから、来院される患者様に対し、病院・医師が、どのようなことをどのような目的でされているのかが理解できるようになりました。接骨院(整骨院)・鍼灸院へ来られる患者様には既に薬を服用されている方も多くおられますから、その薬の意味を理解しているのとしていないのとでは大きく違います。より深く患者様と関わることができ、アドバイスも的確にできますね。
■施術への影響や効果はいかがでしょうか?
施術と施術の間の期間に行う改善や補佐が重要なのですが、これまでは出張などで来院が難しい患者様には湿布を貼ってあげるくらいしかできることがなかったのに対し、漢方などを使って補佐してあげることができるようになりました。施術だけだった時よりも改善までのスピードもアップし、より強い効果を引き出せるようになったと感じます。今は漢方の考え方を取り入れたもの、漢方と変わらないようなサプリメントなども多くありますから、こういったものを薬店でも置く動きになってきていますね。
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